Fate/the Sequel to a Dream

 

―――――体は剣で出来ている。


血潮は鉄で 心は硝子。

幾たびの戦場を超えて不敗。

ただの一度も敗走はなく、

ただの一度も理解されない

彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う。


故に、その生涯に意味はなく

その体は、きっと剣で出来ていた

 

 

 

/0

 

 

 

 全てを等しく救う。夢想にして無想の理想。

 正義の味方という存在。

 かつて一人の少年が望んだ在り方。

 そして少年が剣に誓った在り方。

 少年は何も望まない。

 ―――故に ただの一度も理解されない。

 少年はその在り方しか知らない。

 ―――故に ただの一度の敗走もない。

 無数の剣をその身に宿し、少年は独り理想を追う。

 ただ涙を見たくない。

 目に見える人の笑顔だけでも守りたい。

 それが正義の味方の在り方。

 少年が望み、剣が望んだ理想郷。

 

 

 朝焼けの丘。無数の剣が墓標のように刺さっている。

 いや、真実墓標なのだろう。

 独りの騎士がそこにいた。

 正義の味方として生きた孤独の騎士。

 夢想を無想とせず、理想を理想のままにその道を歩んだ騎士。

 その身を剣とし理想郷を目指す。

 故に、剣はその騎士の墓標。

 

 朝焼けの中、無数の剣に貫かれ騎士は独り笑う。

 守りきった笑顔を心に浮かべて。

 赤き騎士は独り願う。

 見知らぬ人の為の願いではなく、

 またよく知った人間の為の願いでもない。

 ―――契約しよう。

 ただ自らの為に願う。

 ―――死後、この身を預ける。

 最初にして最後。

 正義の味方として在り続けた騎士の唯一の願い。

 たった一度だけの我が侭。

 

 ―――その報酬として・・・・・・