「はっ・・・まさか嬢ちゃんが七人目のマスターだったとはな・・・」
私と今私の目の前でランサーの槍を弾いた人物を見据えてランサーは槍を構える。
特にサーヴァントに殺気をぶつけながら・・・
今私の目の前で槍を弾いたサーヴァント・・・
彼は黒い髪に眼を覆う包帯・・・
ボロボロのマントみたいな黒外套という格好をしていた。
「こいつは運が良かったのかもな!!」
「なぜですか・・・?」
「それはな・・・」
ランサーが後ろに大きく跳躍すると私が呼び出したサーヴァントは疾風とも言えるスピードでランサーに襲いかかっていった。
今ランサーは私のサーヴァントと戦いながら
「俺が満足できるかもしれないからかもな!!!」
嬉しそうな顔をしていた・・・
「戦闘狂ですか・・・」
七夜と華と運命と
蒼黒の暗殺者
ランサーと戦っている私のサーヴァント
クラスは解らないが彼は不思議な戦い方をする。
ナイフくらいの長さをもつ短刀に、時折武器に頼らず身体自身で攻撃し跳躍しつつ足を踏み込みそのままランサーを蹴り抜く・・・
あれはたしか日本でいう体術とかいう戦闘技術だったと記憶している。
よく見てみると彼の特徴は東洋人にも見受けられるし・・・
「はっ・・・やるじゃねえか!!」
なにより・・・
「わかりやすいわね・・・」
ボロボロの外套の下には黒い袖なしの忍者服に近い着物だったからだった・・・
右から槍の払いが来ればその槍を弾き正面に回し蹴りをし、突きというリーチの長い攻撃が来れば・・・
「なっ!!」
その上に乗って空中からムーンサルトのごとく攻撃をする・・・
しばらくランサーと私のサーヴァントは一進一退という戦いを続けていたが不意にお互いが離れあい対峙し合っていた。
「へっ・・・テメエ俺の攻撃をことごとくかわしやがって・・・」
「お前こそ吾の攻撃を避けていたではないか?」
しばらくお互いが睨み合いをしていると・・・
「いいだろう・・・お前何のサーヴァントだ?」
ふいにランサーがそう切り出していた・・・
「さあ・・・ライダーかもしれぬしアーチャーかもしれぬぞ?」
「ほざけ・・・ライダーとはすでに殺りあっているし弓をもたねえアーチャーなわけがねえ・・・それにセイバーとはさっき闘りあった・・差し詰めお前はアサシンってところか?」
「ふっ・・・」
私のサーヴァント・・・アサシンが苦笑をすると・・・
「ちっ・・今夜はまた邪魔がはいった・・・アサシン!決着はまた今度着けようぜ!!」
ランサーはそう言いながら撤退しようとしていた。
「逃げるのですか?」
「はっ・・・俺のとこのマスターは臆病でね・・・サーヴァントの偵察が終えたら帰って来いと言うんだよ!!」
「負け犬・・・」
「うるせえ!!てめえ!!」
「噛ませ犬」
「うるせえ!!畜生!!覚えていやがれ!!!!」
ランサーは泣きながら捨て台詞を残し消えていってしまった・・・
「はあ・・・」
「・・・なかなか辛苦だな、マスター・・・」
・・・ランサーが消えた後私は自分のサーヴァントと向かい合うという状態になっていた。
「・・・まあ自己紹介ぐらいは必要かもしれないですね。」
「・・・まあ突然召喚されて戦闘という状態だったからな。」
・・・なんとかこの気まずい空気を変えないといけませんね・・・なんとなくですが。
「貴方は私の使い間・・・サーヴァントで間違いありませんね?」
「いかにも・・・吾はサーヴァント・アサシン・・・貴女は私のマスターで間違い無いか?」
「愚問ですね・・・」
私はアサシンに右手に浮かび上がった令呪を見せる。
「了解した・・・確かに貴女は私のマスターだ。」
アサシンは頷き契約の証明をする。
「先ほど貴方は私のことマスターと言いませんでしたか?」
「はは・・・そういえばそうだな・・・」
・・・何故か彼をからかうと楽しい気がする・・・でも今は契約の確認が先だった・・
「それで貴方の真名は何ですか?」
「ああ・・・それなのだが・・・マスター・・・」
アサシンが私を後ろに庇うとそこには蒼い小柄な剣士と赤い魔術師がそこにいた・・・・
続く