「せええええええええい!!!」
剣を横に向けアサシンに向け切りかかる
「シャ!!」
それをアサシンは短刀で受けとめ時に蹴りを放ったり拳でカウンターをする。
キーン!!ガキーン!!
剣と短刀が甲高い音を立て辺りに火花を散らす。高速で打ち合うその姿は私たちの目では追いつかない。
セイバーが剛をもって全てを捻じ伏せるとするならばアサシンは影のように動きその全ての斬撃を受け流す。
気配も無く、音も無く、しかし時に殺すための一撃として踏み込みセイバーの頭上から奇襲を仕掛けるなど一撃で殺す業で攻める。
一進一退の攻防戦の中・・・
しばし打ち合っているセイバーとアサシンは徐々にセイバーが押し勝つようになっていき・・・
「甘い!!」
「何!?」
一瞬の隙を突きセイバーがアサシンの持っていた短刀を狙い遠くに弾き飛ばさせる。
「そんなものですか!!」
がら空きになった脇に剣を打ち込もうとしたのだが・・・
「!?」
アサシンの肩まで剣が振り落とされるという所で剣は止まる。
「ふう・・・まだだ・・・」
セイバーの剣を押し留めているその手には・・・
「なるほど・・・二刀流ですか・・・」
楔型の短剣・・・苦無(くない)が握られていた・・・
「ふふ・・・最優のサーヴァントと言われるセイバーに真正面から挑むなんて自殺行為ね!今なら降参して令呪差し出すという条件で命だけでも助けてあげてもいいけど?」
この野郎・・・
「ふん・・・よく見て言いなさい、この万年金欠赤貧王。」
以前エーデルフェルトでルヴィアという人に遠坂に会ったらこういって欲しいといっていたのを思い出した私はそれを言ってみることにした・・・
「くっ・・・こっこの状況でまだ口だけは達者のようね・・・。」
遠坂凛のこめかみの血管が浮き出ていて今のも切れる寸前五秒前だった。
この時ばかりはエーデルフェルトに感謝しなければならなかった・・・
「アンタ・・・知り合いの嫌な奴によく似てるわ・・・」
「それはどうも・・・」
私とあの無駄に赤い女(遠坂凛)は絶対相容れない・・・何故かそう確信していた・・・
七夜と華と運命と
暗殺者VS騎士王
「はあ!!」
セイバーが疾風のごとく剣を薙ぎアサシンを切り刻もうとする。
「ふ・・・」
苦無で弾きセイバーに向けてもう片手の苦無を逆手で振り落とす、
「甘いです!!」
それをセイバーが見えない剣の腹で受け止めアサシンに切り返す。
「くっ・・・」
アサシンは見えない剣の軌道を読み切れてせいか若干動きが対処仕切れていない様子だったが・・・
「・・・・」
しばらく打ち合っているうちにアサシンは段々と動きが滑らかになっていき・・・
ブウン!!
「なっ!!」
最後には身体を半身反らしただけでセイバーの剣を避けるという神業をやってくれた・・・
「なかなか良い攻撃だったが・・・」
「吾には通用はしない。」
苦無でセイバーの剣を押さえこみそのままセイバーの首を掻っ切ろうと刃を滑らす。
ガキキッギリギリギリ!!!!
「くう・・・・!」
セイバーはそれの一撃に剣を斜めに返し急所の一撃を回避
お互い鍔迫り合いの状況から引き対峙をするかのように仕切り直す。
「なによ・・・ランサーでさえ見切れきれなかったというのに・・・あのアサシンは一体何なのよ!!」
・・・そんなのこっちが聞きたいわ・・・
あのアサシンがそんな芸当ができるなんてことこっちだって知らなかったのだから・・・
「な・・・なぜ・・・・」
「種明かしをしようと思ったのだが無闇にこちらの手札を見せる必要はあるまい・・さて」
アサシンが先ほどから使っていたクナイと新たなクナイを取り出しセイバーと遠坂に投げる。セイバーは六本のうち三本は弾いたが残りの三本を衣服の弛みと地面に貫通し遠坂の方は全部服と地面を貫通させていた・・・
「なっ!!」
その後アサシンは顔に手を当てて何かの準備をする、それをセイバーが見逃すはずがないのだが・・
「くっ・・・まだです!!」
セイバーの攻撃線上に動けない遠坂を入るように移動し邪魔ができないように対峙していた。
「・・・朱き月は舞い降り祖は落ちる・・・我は今・・・」
アサシンが今謎の言葉を紡ぎだす・・・・・・
「セイバー!!」
「死の境地にて舞い踊る・・・」
遠坂が倒れた状態から左腕の呪いの攻撃を出そうとする、しかし・・・
「嘘・・・」
遠坂がガントいう呪いをアサシンに撃とうとするが異常が起こる、ガントが発動する前から魔力の流れがなかった。おそらく先ほどアサシンが言霊として出していた「なにか」が効いたのだろう。その所為かまったく動けなくなっていた。
「リン!!」
よく見るとセイバーもなにかに囚われているのか動けてはいなかった。
「さて・・・」
アサシンは先ほどセイバーに弾かれた短刀を拾いながら・・・
「チェックメイトだ・・・」
遠坂凛の首筋に当てた・・・
続く