冬木市中央公園前・・・
「カッカッカ・・・・・」
そこにはセイバーに斬られ真っ二つになった老人が一人・・・いや・・・
無き別れになった二つの身体が大量の蟲に変わる。
その蟲が一つに集まり人の姿になりやがては小柄な老人の姿となる。
「まさか遠坂の孫があのアサシンのマスターと同盟を組んでいたとはな、中々驚かされるわ・・・」
そこには斬られる前と変わらない姿の老人・・・
マキリの祖、臓硯の顔は心底楽しそうに笑ってはいるが時折見せる殺気に周りの動物たちは既に逃げ周りは何もいない。
「おじい様・・・」
「おお・・・桜、」
だがその臓硯に近寄る者が一人・・・
「兄さんはどうしたのですか?」
「ああ、あの役立たずならとっくに脱落して教会に放り投げられているわい。まあワシには死のうが生きようがさして興味がなかったから別に構わんわ。」
「そうですか・・・」
間桐桜・・・臓硯の孫が臓硯の近くによる。
クスクスクス・・・
「時に桜、柳洞寺の方はどうなったか?」
「はい、キャスターさんを倒し■■に取り込んでいます。これで■■に取り込むのは・・・
「よくやった。じゃがまだ他のサーヴァント達がいるからあまり目立つ行動を控えるようにせい。せっかくのチャンスが台無しになってしまうからの。」
「はい、わかりました。」
「これで■■は此方の方が動く・・・だがアインツベルンの■■は意味が無くなったとはいえ注意が必要、まだサーヴァントを一騎取り込んだだけだからどう転ぶか解らないから・・・ふむ・・・」
「おじい様?」
「・・・まあ今は動かなくてもよいか・・・アサシン!!」
「此処に・・・」
「・・・」
「・・・御意。」
臓硯の考えをわかっていたのか黒き暗殺者は一瞬にして姿を消す。
「さて・・・どう動く・・・」
マキリの祖、臓硯は空を見上げながら一人事を呟いていた・・・
七夜と華と運命と
死合 後編
一人の少年は唯一つの願いのために英霊となり世界の敵と戦う。時に守護者として戦いたくない敵とでも戦わなければならない時があった。
無限に転生を繰り返し町や都を死都と化す吸血鬼、
人外の名家に生まれ幼き日に反転してしまった■■
血を吸い続け紅赤朱と化してしまった■■
無数の獣の因子を持ち固有結界、獣王の巣を使い原初の土と言われた死徒
師殺しを成しとげ二十七祖の一席に加わった魔剣の使い手。
財政界の支配者とまで言われた人形遣い
裏の世界の中で最大の勢力を持つ死徒二十七祖の一人
噂を元に世界に具現し殺戮のかぎりを尽くす死徒
人の身では絶対敵わないとまでいわれた人類の敵を少年はすべて
コロシタ
コロシタ・・・コロシタ・・・コロシタ・・・
たとえ人殺しをしたくないとしても彼は殺さなければならなかった。
そうしなければ・・・少年は自分の願いを叶えれなかった・・・
そのため自らを殺人貴とし全てに対し死を与える存在となる。
それは辛い道のりだった。
それは・・・自らを磨耗させる日々・・・
やがて少年は世界最凶とまでいわれた敵と相対する・・・
究極の一、アルティミット・ワンとまで言われた真祖にして最強の■■■
しかも彼女は・・・少年の事情をただ一人知る親友でもあった・・・
絶対戦いたくはない大事な人・・・だが彼女を倒さねば世界が滅びる・・・彼女を殺せるのは少年だけが持つ■■■■■・・・彼しかできるものはいない・・・やがて、少年は・・・
「・・・レン・・・カレン・・・・」
・・・まだ・・・続き・・・が・・・・・
まだ・・・彼の・・事が知りたい・・・それに・・・■■■■■のこと・・・
「カレン!!起きなさい!!」
「うーん・・・なんですか・・・」
「何じゃないでしょう!!今どういう状況だかわかっているの!!?」
「今・・・?」
今・・・というかなぜ私はここで・・・それに・・!?
「そう・・・アサシン!!彼は!!?」
「彼なら私たちから引き離すために都外の森まで・・・」
いけない・・・急がなければ・・・
「カレン!!ちょっと待ちなさい!!」
「なんですか!!」
この忙しい時に・・・
「せめて・・・コレを抜いてくれない?」
其処には影を縫い付けるように楔型の短剣・・・苦無が刺さっていた・・・
「バーサーカー!!」
「■■■■■■■■■!!!!!!!!!」
バーサーカーが周りの樹をなぎ払いアサシン目掛けて斧剣を振り払う。
「くっ・・・」
それを横に飛び樹を蹴り更に跳躍する。その後短剣を数本投げるがバーサーカーには刺さりはしない。
「■■■■■■■■■■!!!!!!!!」
振り切った斧剣を逆に返して振り上げこちらに向け切り払う。
アサシンはそれをしゃがみながら走ることにより回避、
更に斧剣を上に薙ぎ払い攻撃する。
アサシンは辛うじて身体を捻り避けていたのだが
「はあ・・・はあ・・・」
もはや魔力が無くなっているのか動きに段々と切れが無くなっていく・・・
それでも斧剣が左方からくれば右に跳躍して避け、左上から振り落とされるなら即座に横に飛び避ける
一進一退の攻防を繰り広げられているようにみえるがもはや段々と追い詰められているのかただ避けることしかできない。
アサシンは必死で避ける、避けるが・・・
「ゴフッ・・・」
バーサーカーの斧剣を持つ手で殴り飛ばされて大木に叩きつけられた。
「さっきから避けているだけ?そんなのでバーサーカーに勝つつもりなの?」
「・・・」
「つまらないわね。いいわ、バーサーカー。徹底的にやりなさい!!」
「■■■■■■■■■!!!!!!!!!!!」
彼はマスターの命令どおり今暗殺者にトドメを刺そうとしている。
それを誰もがバーサーカーが勝ちアサシンが敗れると思う光景だろう。
「甘い・・・」
だがこのアサシンはただの暗殺者ではない。イリヤスフィールは彼をそう認識はしていたのだがこの圧倒的な状況でそれを失念していた。
不意を突き、絶好の機会を利用し殺すのが暗殺者の真髄
今この慢心している隙を突く絶好の機会・・・
暗殺者は手段に囚われていてはそれは二流、どんな時でも対応し利用しつくし確実に殺す。
その機会をアサシンがそれを見逃すはずはない。
「■■■■■■■■■■■!!!!!!!」
バーサーカーがいち早く反応を示すがもう遅い、アサシンは
大木とバーサーカーとイリヤスフィールの居る地面目掛けて・・・
影、樹、河の堤、そして・・・
それらを支えていた地面に短剣を投げた。
「バーサーカー!!」
慌てて反応するがもう遅い、それらをすべてアサシンは破壊し彼はその場から離脱した後だった。
「はあ・・・はあ・・・・くっ・・・」
令呪を通して痛みが襲ってくる・・・
まだ腕に令呪がある限り彼は生きている。そのために彼の感覚がこっちにまで流れてきたのだろう。
だがあのバーサーカー相手にいつまで生き延びられるか分からない。もしかしたらもう死ぬ一歩手前なのかもしれない。
「令呪によって命ず・・・」
ならば彼を・・・たとえ望まなかったとしても呼ばなければ・・・
「■■■■■■■■■■■■■―――――――――――!!!!!!!!!!」
「カレン!!あそこに!!」
「どうしたのですか凛・・・」
私は令呪の使用を辞め凛の見ている方を見る。そこには崩れていっている大木が・・・
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!
その後その場所は何かが落ちた音がした。
「な・・・なにが・・・?」
バーサーカーが彼を殺ってしまったのか?
だがまだ私の令呪は消えてはいない。彼は生きている・・・
では彼がバーサーカーを?
「カレン!!あそこに!!!」
セイバーの声のする方を見ると・・・
其処には血だらけで動かないアサシンの姿があった・・・・・
続く